拘置所の日常

拘置所のことを未決という。

事件が裁判所で審理中であり、有罪、無罪が未だ決まっていないからである。

拘置所で生活する被告人のことを未決囚という。

未決囚は作業をしなくてもよいので時間を持て余す。

未決囚は有り余る時間を読書や手紙に費やす。

本好きの者には此の上ない環境だろう

 

拘置所では、一日に3冊まで本を購入することができる

刑務所で禁止されているような、悪書に分類されるような雑誌であっても

制限を受けない。

 

本、お菓子、食料品、などを購入することができる。

お菓子、食料品は数が決められていて購入できるものは

一日に15品と決められている

 

以下が食料品購入リストだ

 

黒あめ 163円 ソフトビーフ 298円
VC3000のど飴 200円 ウインナーソーセージ 147円
氷砂糖クリスタル 189円 とりそぼろ 190円
かっぱえびせん 124円 甘らっきょ 148円
うす焼きせんべい 138円 味たまご 105円
柿の種 280円 イチゴジャム 163円
バタークッキー 210円 オレンジマーマレード 163円
チョコチップクッキー 210円 ピーナッツクリーム 163円
おこしミックス 313円 つぶあん 226円
ポテトチップうすしお 148円 チューブ練乳 210円
リッツクラッカー 315円 ネオソフトマーガリン 180円
黒糖かりんとう 313円 ベビーチーズ(4個入り) 215円
ミルクチョコレート 100円 ミニマヨネーズ 67円
ラングドシャ 210円 醤油 142円
バターピー 105円 七味唐辛子(袋入り) 79円
でん六豆 105円 中濃ソース 94円
カップヌードルミニ 105円 ごま塩 袋入り 115円
どん兵衛きつねミニ 105円 カフェスティックコーヒー 297円
ライトツナ(フレーク) 158円 クリープ スティク 248円
甘みあっさりみかん 199円 スティックシュガー 110円
甘みあっさり白桃 210円 紅茶(ティーバック25g) 357円
あさり 220円 しょうが湯 180円

 

 

違うお菓子を食べたいのなら、拘置所の近くにある、

丸の屋という差入れ業者から差入れをしてもらうしかない。

一般の差入れは受け付けられない。

差入れ屋には、拘置所にないものを取り扱っている。

 

このようなシステムが存在するのは、大阪拘置所だけで、

他の拘置所に類を見ない。

 

拘置所に長く勾留されていると、同じお菓子しか買えないので、

どうしても外部からの差入れを面会人に頼むようになる。

よくできた仕組みだ。

 

拘置所では、夏場にアイスクリームを購入することができる。

しかし、一種類のみしか買えない

 

差入れ屋だとアイスクリームではないが、凍らせたゼリーが6種類もある。

面会人に、お金を宅下げしてでも、差入れをしてもらう。

 

一度に8個まで差入れが可能なので、

お金に余裕のあるものは全員に、

凍ったゼリーを大盤振る舞いすることができる。

 

大阪拘置所には、女性も収容されているため、面会人に名前を告げ、

お金を宅下げして差入れ屋を通じて、

誰々にゼリーを8個入れるというギフト、お中元も可能だ。

 

拘置所での生活は裁判や拘禁されていることでのストレスが溜まる。

未決拘禁者は何かを食べることで、

 

ストレスを解消しようと過食気味になる傾向がある。

大抵の者が拘置所で体重を増やす。

すれ違っても誰なのか分からない者もいる。

 

面会、書信についても回数に制限はあるが、誰にでも発信でき、

誰とでも面会することができる。

 

発信についてだが拘置所で購入できる封筒は決められていて

茶封筒、白封筒の2種類しかない。

 

拘置所での楽しみは、専ら手紙になる。

特に同じ境遇である女区との文通は、

 

無聊を託っている未決囚たちにとっては、絶好の消閑法となる。

この時には可愛い封筒と便箋を使用したくなる。

 

これを入手する方法がある。

面会人にディズニーの便箋と封筒を購入してもらい、

それを弁護士宛に送ってもらう。

 

それを弁護士から拘置所に差入れしてもらうと使えるようになる。

ここまですると、切手にも拘りを見せ、

自分の写真を切手にしてしまう者までいる。

 

要するに、暇で、暇で、しょうがないから、何か変化、刺激がほしいのだ。

退屈を凌ぐために拘禁者は彼是と余計な工夫をする。

 

雑居では6~8名が共同生活をしている。

一日中同じメンバーと過ごすので対人関係に悩まされることが多い。

大阪拘置所では、夜7時になるとお金のある者たちが、

購入したお菓子を全員で分けて食べるという慣習がある。

参加しないわけにはいかない。

 

閉塞された環境の中で人間関係を保つには、協調性が最も重視される

断れば軋轢が生じ、生活することが困難になる。

 

嫌でも参加せざるを得ない

ここで、お金のない者は、惨めな思いをする。

お金を持っているものは、傲慢になる。

 

拘置所は、刑務所と違い同じ条件下で、

生活しているわけではないので、貧困の差が生じてくる。

これは、即、力関係に反映され、生活面に影響を及ぼすことになる。

 

お金のある者は、容易に上下関係を形成し、自分にとって都合の良い環境を

作り上げてしまう。お金の威力は拘置所でも絶大な威力を発揮する。

 

独居で生活する場合は自分の購入だけ考えていればよいが、

雑居になるとそうはいかない。

共同生活であるから、協力して購入しなければならない。

 

本来は、不正授受として規則違反になるが、咎められることはない。

拘置所での生活は、他人の気持ちも考えながら生活しなければならないので

大変、気を使うし、お金も使う。

 

着衣は、私服なので寒い季節は暖かい服装で過ごせ、

暑い季節は涼しい服装で過ごすことができる。

 

寝具も差入れが可能なので、暖かい二重の毛布や、低反発のマットレス、

自分に合った枕を使用することができる。

 

判決が言い渡され2週間という控訴期限が経過すると

自然に判決は確定し、未決囚から既決囚となる。

 

このことを専門用語で資格移動という。

受刑者の仲間入りだ。

 

身柄は拘置所にいるが、受刑者と同じ扱いを受けるため、

作業が科せられる。今まで着ていた私服とは、ここでお別れをする。

 

確定房という移送前の既決囚だけの雑居に放り込まれる。

4名ほどで、約2週間、朝から晩まで刑務所の規則に従い、

 

狭い空間を他人と共有するのだ。

愈々、懲役刑に服する心構えができてくる