中田 (42)   窃盗   懲役2年6月

 

窃盗罪の中でも車上荒らしは特に数が多い。

しかし中田の車上荒らしは類を見ない。

 

通常はコインパーキングや路上に駐車されている車を狙うだろう。

しかし中田は違う、乗車中の車を狙う。

 

乗車中といっても移動している車ではなく、

路上で車を停車させて眠っている車を狙うのだ。

 

中田はいつも自転車で獲物を探す。

路上で眠っている者は大抵が爆睡している。

 

家に帰るまで我慢できずに眠るのだから、貪るように眠るだろう。

 

車のロックは開いていることが多い。

開いていない場合は車を揺する、

 

すると運転手は一旦車から降りてきて、すぐに車に戻りまた眠る。

この時ロックする者は少ないという。

助手席から車に乗り込み、物色を始める。まず身体からだ、どれだけ眠って

いるのか確かめるためだ。腕時計をしていればやさしくはずす。

 

財布があれば財布ごと頂く。大抵の財布には

キャッシュカード、クレジットカードが入っている。

 

本人が眠っている隙にカード類を持って、コンビニに行く。

ATMのあるコンビニで現金を引き出すためだ。

 

キャッシュカードや、クレジットカードに使用される4ケタの暗証番号は

生年月日や電話番号を登録することは禁止されている。

 

中田はこのあたりの事情を熟知しており、コンビニで現金を引き出す際に

最初は車のナンバーを使ってみる。

 

これでダメなら生年月日を逆から入力する。暗証番号を3回間違えると

カードが機械に吸い込まれ、警察が来るので3回目は試さない。

 

中田は必ず現場に戻るという。まだ眠っているようならば車の荷物の中から

金になりそうなものを盗む。

 

車の中には携帯電話やデジカメ、

ノートパソコンとすぐに換金できる物が多くある。

 

運転手は眠りから目覚めると、

身ぐるみ剥がされていることに吃驚するが肝心な記憶がない。

 

被害届をだすと警察もこの手の犯行はと…

近くのコンビニエンスストアの画像を解析する。

 

変装した中田がATMにカードを差し込んでいる姿が

見事に写っている…また犯行時間前に

自転車に乗りコンビニの前を通過する姿まで…

 

今度は防犯カメラの無い所ですると言うが、

この手の犯行は…稀なので、すぐに犯人が特定できるだろ。

大胆不敵な犯行だがもう一つ、車の窃盗を紹介する。コインパーキング等で

駐車されている高級車に目をつけると、アルミ缶をぺたんこにした物を

両面テープで後輪に貼りつける。駐車場の出口付近で仲間と車の中で待機する。

 

アルミ缶を貼り付けられた車は、走行を始めるとぺコン、ぺコンという異音を

出す。運転者は異音に気付き車を左に寄せて止める。

 

そして車外に出て異音の原因が後輪のアルミ缶だと分かると

アルミ缶をはずそうとする。

 

隙が生まれた瞬間だ。

その様子を横目に堂々と他人の車に乗り込み車を発進させる。

車が現場から離れると、路上には運転者だけが取り残される。

 

電話も無い、何も無い、やられてしまったというしかないだろう。

普通の人なら大抵がやられてしまう。日本が平和な明かしだろう。

 

車にからんだ犯罪をもう一つ、

世の中には便利になったが油断していると大変なことになる場合がある。

 

乗車する際、運転者は車に近づくとリモコンでロックを解除して車のドアを

開け車に乗り込む。

 

運転席のロックが解除されると他のドアのロックも

解除される、このシステムを集中ロックシステムという。

 

運転席に座り運転席のロックをすると

今度は反対に他のドアもすべてロックされる。

 

またこの動作をせずに車を発進させた場合、

車が何メートルか走行すると全てのドアにロックがかかる。

このシステムをオートロックシステムという。

 

最近の車にはすべて標準装備されている。この為、運転者は専ら、

オートロックシステムに頼ってしまう。

 

即ち車を発進させるまでは運転席以外のドアロックは

開いたままの状態になる、隙ができた瞬間だ。

 

助手席や後部座席から車に乗り込み、

 

「金を出せ」

と脅され、お金を奪われる。

犯人が複数に及ぶ場合はキャッシュカードを奪われ、

暗証番号を白状させられ口座のお金まで奪われてしまうことになる。

 

最近の車は運転席しかロックが開かないように工夫されている。

どんな時にでも油断は禁物だ


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