当時のN会はT組長〇しでパンク寸前だったが私は
最後までN会に残っていた。
しかし、N会は解散せざるを得なかった。
私は移籍してY組のI会に行った。
久川からしたらば、私の方が格下になった。
久川はこの時を待っていた
「芹沢さん、ちょっと、会ってくれまへんか」
と電話をよこした、会ってくれまへんかと、
あからさまにケンカ腰だ
「ああ、いいですよ」
と言って日時と時間を決めた。
前の居酒屋で会う約束をした。
当日、私は一人で居酒屋に向かって歩いていた、
すると反対側から久川ともう一人、二人で向こうから来た。
久川はサングラスに白の軍手をしていた。
おかしいなあと思っていた
お互いの距離が3メートルを切った時、
久川は中腰になり拳銃を構えて

「オリャ」
と言って拳銃の引き金を引いた
「ガチャリ」
と、撃鉄の落ちる音がした
身体が咄嗟に反応した。
右ストレートが久川の顎を捉えた。
私もホルスターに38口径の拳銃を忍ばせていたが
身体が勝手に動いた
「ゴツン」
と音がして久川は左によろけてこけた。
久川はまたしても銃口をこちらに向け
「ガチャリ」
と引き金を引いた。
1発目も2発目も玉(ギョク)は走らない。
不発ということだ
顔面を思い切り蹴り上げた。
久川に馬乗りになって顔面を殴った。
久川が持っていた拳銃を奪って、
拳銃の底で何度も何度も顔面が血まみれになるほど
何十発も殴ってやった
久川に意識は無い。気絶している。
私は立ち上がり真っ赤になった
頭部をサッカーボールのように蹴飛ばした。
後から聞いた話だが久川は顔面だけで47針、縫う怪我をしたらしい
横に居たもう一人の仲間もしばこうと
「お前も久川の舎やな」
と声を掛けた。するともう一人の仲間は
「私は関係ありません」
と言った。仕方が無い。
警察も来るので気絶している久川の
顔面をもう一発蹴飛ばして、
拳銃を強奪したまま、その場を去った。

不思議なことだがこの事件の3ヶ月前に
私の兄弟分が警察に殴り殺されて死んだ
私が20歳の時にその兄弟分と二人で居るときに拳銃と玉が3発あり、
そのうちの2発に拳銃の撃鉄が落ちた跡形が残っていた

「きっと火薬が湿っているんやで」
と兄弟分が言うのでフライパンで炒る事にした
暫くして
「バーン」
と大きな音がして2発の内の1発が暴発した。
すごく大きな音がした。
兄弟分が
「あかん、火を止めな」
と言ったので私が火をとめに行った
「ボカーン」
とまたしても大きな音がして2発目の玉が暴発した、
耳元だったので
「キーン」
と耳が鳴って暫くほかの音が聞こえなかった
鉛の玉が柱に突き刺さっていた
団地で余りにも大きな音だったので
通報を懸念してすぐに拳銃と薬莢やらを
隠したという過去がある。
兄弟分が私を守ってくれたのかもしれない
気絶した久川を玉出の商店街に残して
車に帰ってきて拳銃の弾倉を開けてみると
玉が4発入っていてその内の2発に撃鉄が落ちたあとが残っていた。

私も確かに2回撃鉄が落ちる音を聞いた
拳銃はS&Wの38口径で銃身が長くて新しく銀色に光っていた。

よいものを手に入れたと思った。こんなもの取られるほうが悪い
暫くして私の電話に久川から着信があった。
電話に出てみると相手は久川の嫁だった
「あの拳銃は借り物でどうしても返してください」
と言ってきたので
「お前さんは関係ないやろ、久川に代われ」
と言った。すると嫁は
「主人は今しゃべれるような状態じゃないのです」
と言うので
「お前さん、女やろ、すっこんどけ」
と言って電話を切った
ヤクザのケンカに女が出しゃばるとは何事か、情けない
今度は親分からの着信だ、組の方に電話があったようだ
「芹、お前、チャカ(拳銃)を返してええ男になっとけ」
親分の命令は絶対だ、特にヤクザの世界では
「嫌です、私が取り上げたものです」
親分の言うことを聞かない
今に始まったことではない
「お前、向こう、困ってもうてるやんけ」
「困ったらええんです、あれは戦利品です、
もう私のコレクションになりました」
と親分に言った
「芹、そんなこと言うな、ええ男になっとけ」
「嫌です、親分、失礼します」
と言って電話を一方的に切った、
普通は親分が電話を切るまで
絶対にきらないのがヤクザの教えだ。
もう一度親分から電話があったが、シカトする。
けしからん若い衆だ。私は組の中では特別扱いだった、
暫くして、副長から電話があった
「芹ちゃん、またやったみたいやな、親分の言うこと聞いたれよ」
またとは、私が何度もヤクザをしばきあげているので
毎度、毎度という事だ
副長には絶対服従だ、私は副長の舎弟だからだ、
誰の言うことも聞かないが
副長は特別だ
「そうですか、やっぱり親分の言うこと聞いたらな、
あきませんか?」
「そうやな、親分にも顔というものがあるからなあ」
と副長は言う
「そしたら、150万円ぐらいで、返したりましょか?」
「芹ちゃん、ちょっと無茶やで、120万円ぐらいにしといたれや」
「分かりました」
副長も長い付き合いなので私の性格を理解している
相手の代貸と本部長と頭が喫茶店で待っていた、
こちらからは副長と頭と本部長が来ていた
そこに私が登場した
「皆さん、お揃いで、ハイ、これね、120万です」
玉と拳銃は別々に渡した、

その場でまた弾かれたら困るからだ
相手側が茶色の封筒を差し出してきた
「中身を確かめさせてもらいます」
と言って封筒の中身を確かめた、
100万円の束と20万円が入っていた
こちらの本部長が言った
「おたくとこの若い衆も立派でんな、
ちゃんと2発も弾いてまんがな」
相手は何も言わない、私が
「今度また、おちょくったまねしたら、
次は〇すぞと久川に、言うとっておくんなはれ」
と言うと相手は三人揃って
「はい」
と返事をした、みんな良い返事が出来ていた。そして喫茶店を出た
私はまたしても、拳でお金を稼いだ
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